ゾッゾソン家の一族は始祖である初代ソリンリソン・ゾッゾソンをはじめ、才能と美貌、そして何らかの畸形という三つの特徴を持つ。多分野にわたり著名人を輩出する名門であり、また怪奇と不思議に彩られた歴史を持つゾッゾソン家に魅せられる人間は多い。
私、シズム・シニーもゾッゾソン家に魅せられた一人であり、素人ながら文献を漁ってゾッゾソン家の逸話を収集することを趣味にしている。しかし先日知人から聞いた話によれば、どうやら現在の学校教育において、ゾッゾソン家に関する記述は姿を消しているそうだ。勿論ゾッゾソン家を知らずとも充分歴史は学べようが、これだけのロマン溢れる題材に一切触れる機会がないというのはあまりにも勿体ないのではないか。少なくとも四本腕七本脚の美しき歌姫ダルカデルカ・ゾッゾソンや、単眼単脚にして当代随一の剣客であった救国の英雄ジュシャガノ・ゾッゾソンくらいは知っておいても損はない。
インターネット上では寡聞にして資料の公開を行っている先人を知らないため、僭越ながら私がその端緒を開かせて頂こうと思う。ここに公開するのは私が各種文献から書き抜いた逸話のごく一部であり、文章にまとめている私も研究者ではないただの素人だが、それでもゾッゾソン家自体の魅力はあなたを惹きつけることだろう。少しでも興味を持ったなら、是非次の休日は図書館や本屋へゾッゾソン家に関する資料を探しに行くことをお勧めする。きっととても充実した休日になるはずだ。このつたない文章が、まだゾッゾソン家について知らない方、学生時代に授業で聞いて以来忘れていた方、などがゾッゾソン家に触れるきっかけとなれば幸いである。
歴史の時間が嫌いだったあの頃の私と
歴史の時間が嫌いなすべての子供へ捧ぐ
シズム・シニー